オフィスとラボのあるワークスペース。
小さなラボを併設した少人数が働くオフィスをつくることとなった。小さなラボといっても、熱環境や気密への配慮から前室やクリーンルームが必要となり、専門的な設備や専用の設えなどが前提となった。一方でオフィスは4席を確保することだけが条件となり、対比的な2つの空間の関係性を考えた。
そこで南から東側に連なる既存連窓に切り取られたまちの風景のように、ラボという特殊な空間も一つの風景として位置づけた。開口部のない北側に倉庫と、前室やクリーンルームなどのラボ機能を、連窓が連なる南側に打合せや執務を行うオフィス機能を配置し、南北に細長く分節されたオフィスとラボの境界面に新たな連窓を設けた。
連窓を介して銀座の街並みや、研究の姿が広がる風景に包まれるオフィスとなり、ラボの性能は担保しながらも開放的な空間となる。まったく異なる条件の空間を関係づけることで奥行きがつくられ、心地良いワークスペースを醸成している。